【鍼灸師配信】お灸教室@ネット・自宅で自分で出来るセルフお灸<酔い止めのお灸②>

■ ご挨拶

こんにちは。
自宅で自分で出来るセルフお灸のブログを開いてくださり
ありがとうございます。
心から感謝いたします。
鍼灸師として鍼灸治療院を開業し
治療院へお越しの方にハリとお灸で施術をおこなっておりますが
より多くの方に自宅で自分ででも出来るセルフお灸について
お伝えしたくご説明をします。

 

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今回は【実践編】として具体的に
『こんなお症状にはここの経穴(ツボ)にお灸を据える』
をご紹介していきます。

 【基礎編】で下記の2つをご説明しています。
こちらも合わせてお読みいただけたらと思います。

【基礎編】《お灸の出来方や種類について》
【基礎編】《お灸を据える準備と据え方》

【基礎編】にも記載いたしましたが、ハリを自宅で自分でというのは難しい(出来ない)と思います。
ですが、お灸はドラッグストアや薬局などで手軽に購入できますので、はり灸院へ治療へ行かずに自宅で自分でセルフお灸をしたいとお思いの方は多いと思います。
自宅で自分で気軽に出来るお灸ですが、注意点がありますし、注意点を組み込むか組み込まないかで効果が変わってきたり、ひどい場合は効果が逆転することもありますので
お伝えしていけたら思います。
【基礎編】のお灸の据え方をお読みいただき、できるだけ正しい方法でお灸を据えていただく方が良いです。



■ 《酔い止め》のお灸②

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酔い止め①でご説明したように、酔い止めにアプローチできる経穴(ツボ)はいくつかあるのです。はり灸は「病名治療」よりも「症状治療」の傾向が強いのが理由です。

車やバスや船といった乗り物類の酔いやが発生すると出る症状は、
「目が回る」「吐き気」「嘔吐」などが主流で、
「目が回る=めまい」に特化している経穴(ツボ)もありますし、
「吐き気」「嘔吐」に特化している経穴(ツボ)もあります。
と、言った具合でいくつかあるのです。
「吐き気」「嘔吐」からの視点で見ますと《つわり》にもアプローチできます。
今回はその1つである『築賓』という経穴(ツボ)をご紹介します。



■ 経穴(ツボ)『築賓』について

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『築賓』は、足の少陰腎経という経絡上にあります。
『腎』は、人体の生命活動を維持して、成長・発育・生殖に深くかかわる経絡です。
さらに、全身の水分の代謝を調節する機能もあります。
通常、水分は胃に入ると、脾によって肺に運ばれます。その肺から全身に分配して汗や尿になって水分は排泄されるのです。

内果突(うちくるぶしの天辺)から5寸(=指4本+指3本)あがった所です。

酔い止めに対して『築賓穴』にお灸をしてみましょう。



■ 余談

鍼灸治療院を開業する前に、同じはり医学会大先生の鍼灸院でお仕事をさせてもらっていました。その時の患者さんで「何週間かの豪華船旅に出るのだけれど、ちょっとの揺れでも吐いてしまうので心配だ」とおっしゃっていて、私はどうするのかと大先生を見ていたら『築賓』に置きハリ(小さなハリが付いているシール)をしたのでした。その後、その患者さんが旅行からお帰りになり、鍼灸院へお越しになった時に「おかげさまで、一度も気持ち悪くなることがなかった」とおっしゃっていたのを覚えています。そんな記憶がありますので、私も治療で悪阻(つわり)や吐き気・嘔吐には築賓を観察して、変動があるかを確認して、あるようならば治療に積極的に使うようにしています。

 


■ まとめ

自宅で自分で出来るセルフお灸で『酔い止め』にアプローチできる経穴(ツボ)はいくつかあります。はり灸は「病名治療」よりも「症状治療」の傾向がありますので『酔い』でお困りの場合、症状として『めまい』で困っているのか、はたまた『吐き気・嘔吐』でお困りなのかによってもアプローチできる経穴(ツボ)が出てきますが、今回ご紹介した『築賓』は病名である「酔い」に対して非常に有効な経穴(ツボ)と思われます。です。
『吐き気・嘔吐』に特化した有効経穴(ツボ)もあります。
悪阻(つわり)に対してのお灸に関してはまたご説明いたします。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。